HB抗原陽性肝疾患多発15家系の調査成績 : 環境因子と遺伝体質的因子の検討
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概要
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HB抗原陽性の肝疾患多発家系成立の機序を検討するため,発端者の二親等以内に3人以上のHB抗原陽性肝疾患を有する15組の定型的な家系を対象とし,HB抗原持続陽性非家族性肝疾患患者の家系およびHB抗原持続陽性肝疾患患者の配偶者を対照として,HB抗原,抗体の保有率を調査した.多発家系,とくに母から子供への感染が想定された家系における子供ではHB抗原の保有率がきわめて高いが,逆にHB抗体の保有率が低く,健康な子供においても抗体の保有率は高くなかった.また同胞間にのみ肝疾患が多発する家系でも同様の傾向が見られた.感染経路とは関係なく,多発家系ではHL-A抗原のsublocusに片寄りが見られた,このような成績から,多発家系の成立には胎内あるいは生下直後のような免疫寛容成立の条件下における感染が本家系成立の重要な因子と考えられたが,同時に遺伝体質的な因子もまた本家系成立の重要な成因因子であることが想定された.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
-
清水 達夫
大阪赤十字病院 消化器内科
-
中川 潤
京都大学医学部第二内科
-
池原 幸辰
京都大学医学部第二内科
-
伊藤 憲一
京都大学医学部第二内科
-
中嶋 健一
大阪赤十字病院 内科
-
大西 三朗
大阪赤十字病院 内科
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清水 達夫
大阪赤十字病院 内科
-
池原 幸辰
京都大学医学部 第二内科
-
伊藤 憲一
京都大学医学部 第二内科
-
中川 潤
京都大学医学部 第二内科
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