バッチ重合反応器に対する繰り返し学習制御系の設計と応用
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概要
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バッチ重合反応器の温度制御は, 反応開始温度よりわずかな反応温度の上昇に伴い発熱量が急激に増加するため, 従来のPID制御では難しいと言われている.実際の運転では, 強制加熱から強制冷却に操作を切り替えるターニングポイント温度を過去の運転経験を基に定めておき, 反応温度のオーバシュートを防止している.しかし, 重合反応条件が動的に変化した時など, 試行錯誤でターニングポイントを探索しなければならない.この試行錯誤の操作を自動的に実現するため, 反応器ジャケット温度調節計への仮想目標値パターンが自動的に決定できる繰り返し制御系を開発した.この制御系の機構は, 初回の運転の被制御量と操作量とのデータからARXモデルに近似する.このモデルから次回の仮想目標値パターンが決定される.それ以降は, 運転ごとに仮想目標値パターンは誤差修正関数にて修正される.本制御系の有効性を確認するため発熱反応の実験用PPSバッチ重合反応器に適用した.その結果, 本制御方式が実用的であることが実証できた.
- 社団法人 化学工学会の論文
著者
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佐々木 隆志
出光エンジニアリング(株)
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花熊 克友
出光石油化学(株)生産技術センター
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中西 英二
神戸大学工学部
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中西 英二
関西大学工学部 化学工学科
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佐々木 隆志
出光石油化学 (株) 技術部
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