単軸押出機における押出量の推定機構の開発
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概要
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押出機は高分子素材の押出成形加工の分野において幅広く使われている装置である. 高分子製品の品質向上, 生産能力の向上を達成するためには, 溶融ポリマーを一定量安定に押出機から押し出せるようにすることが重要なこととなる.しかし, 実際の生産ラインでは, 押出量を直接 (on-line) で計測することができない.そこで, 他の間接的な状態量 (たとえば, スクリュー回転数, 温度および圧力) から押出量を推測する推定器の構築が肝要となる.本報では, この推定器をいかに構築するかについて検討する.まず, 得られた実験データを多変量解析および時系列データ解析することにより, 変数間の因果関係を調べ, それに基づいて, 温度および圧力などの状態量から押出量を推定できる推定器を開発している.構築された推定器は二つの機構で構成されている.一つの機構は静的なものであり, そこでは, 回転数, 操作温度より押出量の平均値を推定している.もう一つは, 動的機構であり, 押出量の平均値からの動的ずれを圧力の時系列データより推定している.最後に, この開発された推定器の有効性をシミュレーションにより検討する.
- 社団法人 化学工学会の論文
著者
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大嶋 正裕
京都大学工学研究科 化学工学専攻
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橋本 伊織
京都大学工学研究科 化学工学専攻
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梁 躍
京都大学工学部 化学工学科
-
香村 幸夫
古河電工 (株)
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三上 俊宏
古河電工 (株)
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阪本 一秀
古河電工 (株)
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大嶋 正裕
京都大学工学部 化学工学科
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