石灰藻<I>Cricosphaera carterae</I>の増殖と炭素固定速度
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概要
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地球規模の炭素循環に重要な役割を担っている海洋の微細藻類の中で石灰藻に注目し, その挙動を明らかにするために, 代表的な石灰藻<I>Cricosphaera carterae</I>の培養を行い, その増殖および炭素固定速度を実験的に検討した.まず, 栄養塩の取り込み速度が, 分裂の起きない明期に高く, 暗期の増殖期には低下することを明らかにした.また, 硝酸イオン濃度に対する増殖速度の依存性を半連続培養により実測し, 2種類の定式化を行った.海洋表層の平均窒素濃度15mg/m<SUP>3</SUP>では, 比増殖速度は, 0.53d<SUP>-1</SUP>であった.最大比増殖速度は0.9d<SUP>-1</SUP>であり, 有機炭素に対する無機炭素の固定比はおおむね0.1であった.さらに, 通気ガス中のCO<SUB>2</SUB>濃度を約2倍 (715ppm) に増加させて培養を行ったが, 増殖速度および細胞あたりの無機炭素の固定量には大きな差が見られなかった.これらの知見を用いて, 地球全体での石灰藻による炭素固定量を概算した.
著者
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古崎 新太郎
東京大学工学部
-
関 実
東京大学工学院
-
関 実
Graduate School On Engineering The University Of Tokyo
-
重松 邦彦
東京大学工学部 化学工学科
-
重田 健太郎
東京大学工学部 化学工学科
-
古崎 新太郎
東京大学工学部 化学工学科
-
関 実
東京大学工学部 化学工学科
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