ウシ卵子の顕微授精条件の検討ならびに授精後の核および胚発生の経時的変化
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概要
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顕微授精における卵子の成熟培養時間および精子注入条件(操作液注入区と操作液無注入区)を検討し,受精卵の発生および雌雄核形成の経時的変化を明らかにした.卵胞卵子を18~26時間培養し,成熟培養時間と授精後の体外発生能の関係について検討した.その結果,成熟培養時間の延長に伴い分割率と胚盤胞期への発生率は増加傾向を示し,特に,25時間区で最も良好な成績(2細胞期胚:71.4%胚盤胞期:11.4%)が得られた.一方,操作液無注入区では分割率および桑実胚~胚盤胞期への発生率はそれぞれ28.8%(15/52)および9.6%(5/52)で,操作液注入区の19.5%(8/41)および4.9%(2/41)より有意に高かった.このことから,卵細胞質内に注入された操作液は顕微授精卵の分割および発生に悪影響をもたらすことが認められた.顕微授精および体外受精について,受精後の胚発生時間を比較した結果,顕微授精卵では3-8細胞期で4時間および8細胞期以降では8時間,それぞれ体外受精卵に比べて遅れることが示された.雌雄核形態の経時的変化の分析により,この原因は顕微授精後の雄性前核形成の遅延に起因するものと推察された.
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