牛核移植卵の発生能に及ぼすドナー胚の発育ステージの影響
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概要
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牛胚の核移植に用いるドナー胚の発育ステージが,核移植卵の体外における発生能に及ぼす影響を検討した.ドナー胚は,体外受精胚を用い,媒精後68,92,116および140時間目にレシピエント卵細胞質との融合に供した.レシピエント卵は,体外成熟卵子を除核後活性化処理して用いた.融合した核移植卵は体外で牛卵管上皮細胞と共培養した.用いたドナー胚の細胞数の平均は,それぞれ13.6,13.5,23.2,40.5個であり,融合率は82-96%であった.融合した核移植卵を培養した結果,2細胞期への分割率は73-87%であり,116時間区で最も高かった.また8細胞期への分割率は22-53%で,116時間区で最も高く,140時間区で最も低くなった.胚盤胞への発生率は,それぞれ13%(13/102),3%(2/71),35%(33/95)および12%(12/99)と92時間区で低く,116時間区で高かった.本実験系において,ドナー胚の発育ステージが,核移植卵の発生能に影響を及ぼすことが明らかとなり,それはドナー胚の割球の細胞周期の時期の違いによる影響であることが示唆された.
- 日本繁殖生物学会の論文
著者
-
荒井 徹
栃木県酪農試
-
関沢 文夫
栃木県酪農試
-
外丸 祐介
東京農業大学・農学部・畜産学科
-
中原 達夫
東京農業大学
-
河野 友宏
東京農業大学
-
青野 文仁
協伺飼料株式会社
-
高橋 知子
協伺飼料株式会社
-
荻原 勲
協伺飼料株式会社
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