ポリープを有する声帯の振動モード : 超高速度映画による研究
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概要
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1)目的:病的な声帯振動のモード,メカニズムに関する研究の一環として,一側性のポリープを有する声帯の振動モードを検討した.この方面の研究の礎石の一つに加えたい.2)研究方法:限局性の声帯ポリープ6例,ポリープ様声帯1例,計7例を対象とした.声帯振動を超高速度映画に撮影し,filmmotionanalizerを用いて,振動モーードの概要の観察,1コマ毎の分析,声門幅および声門面積波形の検討などを行なつた.3)主なる成績a)声門閉鎖は限局性のポリープでは全例不完全であり,ポリープ様声帯の1例では完全であつた.b)連続せる振動はほぼ規則的な症例が多かつた.c)振幅は患側の方が健側より小さく,また,健側においても正常より小さい例が多かつた.患側の振幅が小さいのは,質量の増加が主な原困であり,健側の小さいのはポリープが健側の動きを抑制しているためと考える.又,声門閉鎖不全による呼気漏出も関係レていると考えられる.d)粘膜波動は,両側とくに患側で小さい例が多かつた.e)両声帯の動きには,著明な位相のずれを認める例が大多数であつた.これは両声帯の物理的性質が著しく異なるためと考える.同一声帯内の異なる点の動きにも,ほとんどの例で位相のずれが認められた.患側では一般にポジープは固有の声帯より遅れて動く.健側ではポリープによる影響を直接受ける部位と,直接には受けにくい部位とがあるので,それらの間に位相のずれを生ずるものと考える.f)声門面積波形は症例によつて種々の形態を呈した、特定の点の動き,声門幅波形等は,面積波形に比較的類似することもあるが面積波形の代用とすることは,当を得ない
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
著者
-
平野 実
久留米大学
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吉田 義一
久留米大学医学部耳鼻咽喉科
-
松下 英明
久留米大学医学部
-
州崎 洋
久留米大学耳鼻咽喉科学教室
-
小池 靖夫
京都大学耳鼻咽喉科学教室
-
吉田 義一
久留米大学耳鼻咽喉科学教室
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