脳動脈硬化症の耳科学的検討 : 前庭平衡機能検査成績判定基準について
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概要
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1) 脳動脈硬化症患者43名, 正常老年者155名, 正常若年者40名について耳科学的検査, とくに前庭機能検査を行なつた.2) 前庭 授能検査の routine として自発眼振検査, 側頭位眼振倹査, 偏示検査, 足踏検在, 歩行検査, 転倒検査, 回転刺戟検査 (5回/10秒) (5回/30秒) (阪大式)のいづれか一個, 温熱刺戟検査 (30°C4 4°C 20cc注水)を行なつた.3) 回転刺戟検査, 温熱刺戟検査の眼振持続時間, その左右差, CP 挫異常反応, DP 性異常反応について危険率5%の正常棄却限界を決めた.4) 検査成績の総合判定に際して, 種々の組合せを想定し, 夫々の場合に推定し得る障碍種類を漸定的に決めた.5) その障碍種類は i) 著変なし, ii) CP 性障碍, iii) DP 性障碍, iv) 両前庭末梢性障碍, v) 眼振系中枢性障碍, vi) 眼振系血行障碍, vii) 眼振系に異常あるも障碍部位不明, viii) 自律神経緊張異常の8種類である.6) 脳動脈硬化症患者の成績は自発症候74%, 側頭位眼振40%に認められ, 回転刺戟, 温熱刺戟検査ではむしろ正常範囲を示した.7) 又本疾患々者の成績を推定障碍種類別に見ると, 何らかの障碍を推定される者79%, その中, 眼振系血行障碍23%を初め DP 性障碍, 両前庭末梢性障碍が多数認められた.8) 前庭機能検査は眼底検査, 脳波検査等と共に脳動脈硬化症を診断する有力な検査法である.9) 他科の検査で異常なくとも前庭機能検査で異常を認めた場合, 中でも側頭位眼振を認めた場合は脳動脈硬化症を疑う必要がある.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
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