ネコ扁桃体,視床下部刺激による腎交感神経発射ならびに消化管粘膜血流量,胃運動変化に対するBromazepamの作用
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概要
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無麻酔,gallamine不動化ネコを使用して,扁桃体中心核(NAmC),扁桃体基底外側核(NAmBL)および視床下部外側核(NHL)電気刺激による胃ならびに十二指腸粘膜血流量減少,胃運動振幅の低下,血圧変化に対するbromazepamの作用を検討した.NAmCあるいはNAmBL刺激により,胃および十二指腸粘膜血流量減少,胃運動振幅の低下が刺激強度依存性にそれぞれ認められた.なおNAmC刺激により昇圧反応が,NAmBL刺激では降圧反応がそれぞれ認められた.NAmC刺激による反応はいつれもより大であった.norepinephrine静注により粘膜血流量減少および胃運動振幅の低下が昇圧とともに見い出され,さらにNAmC刺激により腎交感神経発射頻度の充進が昇圧とともに見られることから,NAmC刺激によるこれらの諸反応は中枢交感神経系の興奮の結果と推定される.扁桃体両核刺激によるこれら消化管系の反応,ならびにNAmC刺激時の昇圧反応は,bromazepamにより用量に依存して抑制され,本薬物による中枢交感神経系の抑制が示唆される.なお,NAmBL刺激による降圧は抑制されなかった.また,NHL刺激の諸反応に対するbromazepamの抑制は著しいものではなかった.さらに,ラットにおいて拘束水浸ストレスにより消化管潰瘍が惹起され,また同様のストレスによりNAmCでのグルコース利用率(GUR)が他の扁桃体核群に比較して,顕著に上昇した.これらの反応はbro-mazepamにより抑制された.以上,NAmC刺激に対する消化器系反応,循環器系反応は中枢性交感神経系の興奮に由来する.なお拘束ストレス負荷時の潰瘍発症,扁桃体核の中でもNAmCのGURのより著しい上昇はいつれもbromazepamにより著しく,かつ選択的に抑制された.
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