非ステロイド性抗炎症薬Carprofenの薬理学的研究
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概要
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新規な非ステロイド性抗炎症薬のcarprofenについて各種実験炎症モデルに対する活性スペクトラム,消化器系および副腎皮質に対する影響について検討した.なお12種の対照薬について比較した.本薬物はadjuvant多発性関節炎,綿球肉芽増殖および熱湯性浮腫に対しindomethacin,piroxicamとほぼ同等の抑制作用を示した.croton oil肉芽嚢(浸出液量,肉芽形成),紫外線紅斑およびhistamine,bradykininによる末梢血管透過性元進に対する本薬物の抑制効果はindomethacinに劣るがphcnylbutazone,mefenamic acid,ibufenacおよびacetylsalicylic acidより極めて強い.しかしながらcarprofenを始め標準薬に使用した非ステロイド性抗炎症薬にはanaphylactic shock,passive cutaneous anaphylaxis,高尿酸血症に対する抑制作用は認められなかった.carprofenのラット,イヌ消化器系に対する潰瘍惹起,血便排泄作用は極めて弱くindomethacin,piroxicam,phenylbutazoncより弱い.またラットに本薬物を連続投与しても副腎静脈血中へのcorticosterone,aldosteroneの分泌に影響は認められなかった.以上のようにcarprofenは著しい抗炎症効果を示すにもかかわらず,消化器系に対する影響が少ないのが特徴的である.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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