Mequitazine (LM-209)の薬理学的研究(第4報) : 中枢神経系を除いた一般薬理作用
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概要
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新しい抗-histamine剤, Mequitazine (LM-209) は種々のchemical mediatorに対して広範囲な拮抗作用を,さらに, IgGおよびIgE抗体が関与するアレルギー反応に対しても強い抑制効果を有し,その効果の持続性が認められている.また,中枢神経系に対して作用の少ない薬物である.今回は中枢神経系以外の一般薬理作用についてclemastine fumarate (C. L.) を対照として検討した.その結果, 1) LM-209は脈圧の増大およぴ頻脈作用が認められたがC. L. では認められなかった. 2) 交感神経支配の強い輸精管ならぴに瞬膜収縮に対する抑制作用はC. L. に比べ著明に弱かった. 3) 消化器系および消化分泌系における抑制作用はC. L. よりやや強かった. 4) histamine降圧反応を抑制する用量でnorepinephrine昇圧反応に対して増強を示したのに比べC. L. では抑制を示した. 5) 抗-histamineおよび抗-アレルギー作用を示す用量の経口投与では一般薬理学的な鎮咳作用を有したが, C. L. では認められなかった. 6) 局所麻酔作用はlidocaineよりやや強かった(C. L. は実施せず). LM-209とC. L. との間に以上のような相異点が観察きれた.しかしながら,その他のほとんどの一般薬理作用ではC. L. とほぼ同様の薬理学的性質と強さを示し,その作用は抗-histamineならびに抗-アレルギー作用を示す用量より高用量で認められた.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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北条 雅一
日本商事 医薬研
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北条 雅一
日本商事株式会社 医薬研究所 薬理研究部
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吉田 洋一
日本商事株式会社 医薬研究所 薬理研究部
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芹沢 功
日本商事株式会社 医薬研究所 薬理研究部
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長坂 保則
日本商事株式会社医薬研究所薬理研究部
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片山 理
日本商事株式会社医薬研究所薬理研究部
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吉田 洋一
日本商事株式会社医薬研究所
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北条 雅一
日本商事株式会社医薬研究所
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芹沢 功
日本商事株式会社医薬研究所
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長坂 保則
日本商事株式会社医薬研究所
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片山 理
日本商事株式会社医薬研究所
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