NaOH惹起胃炎形成過程におよぼすAldioxaの影響
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概要
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ラットの胃内に2%NaOHを貯留させて広範囲な粘膜障害を発生させ,その修復過程に生ずる慢性胃炎の形成について観察した.さらにこの胃炎形成に対するaldioxaおよびcetraxate hydrochlorideの作用を検討した.胃損傷作製翌日よりaldioxaおよびcetraxate hydrochlorideを混合した固形飼料を与え,6週間後に胃粘膜の肉眼的および組織学的観察を行った.胃炎対照群では,広範囲の粘膜傷害が惹起され,胃底腺粘膜の肥厚,幽門腺粘膜部の細胞浸潤および腸上皮化生がみられた.これらは慢性胃炎初期像と考えられる.aldioxa投与群では,胃炎対照群に比べ粘膜肥厚および細胞浸潤を抑制した.cetraxate hydrochloride投与群では,肉眼的に粘膜表面の灰白色変化,瘤状隆起等の強い変化がみられ,これらは組織学的には粘膜表層の細胞浸潤,嚢胞形成によるものであった.また腸上皮化生も高率にみられ,慢性胃炎の悪化像が観察された.これらの結果から,NaOH惹起胃炎形成過程に対してaldioxaは質的に良好な粘膜再生を促進し,慢性胃炎改善薬として有用であることが示唆された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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内田 勝幸
グレラン製薬(株)開発研究センター
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大林 繁夫
グレラン製薬株式会社研究開発本部
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三崎 則幸
グレラン製薬株式会社研究所
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坂東 和良
グレラン製薬株式会社研究所
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大林 繁夫
グレラン製薬(株)開発研究センター
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河野 修
グレラン製薬 研
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河野 修
グレラン製薬
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三崎 則幸
グレラン製薬 研
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坂東 和良
グレラン製薬
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坂東 和良
グレラン製薬(株)研究所
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内田 勝幸
グレラン製薬(株)医薬品開発部
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大林 繁夫
グレラン製薬(株)研究所
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