プロピオン酸のカルシウム,カリウムおよびナトリウム塩添加飼料給与めん羊の採食に伴うインスリン分泌反応

概要

論文の詳細を見る
採食に伴うインスリン分泌反応に対する生理的レベルの第一胃内プロピオン酸のカルシウム(Ca),カリウム(K)およびナトリウム(Na)塩の影響を明らかにするために,4頭のめん羊にプロピオン酸Ca (10mmol/kg BW/日),プロピオン酸K (20mmol/kg BW/日),プロピオン酸Na (20mmol/kg BW/日)をそれぞれアルファルファヘイキューブに添加した飼料あるいは無添加飼料を4×4ラテン方格法に従って給与した.プロピオン酸塩添加飼料摂取めん羊において第一胃内プロピオン酸および投与した無機塩は増加した.動脈血のプロピオン酸および血漿グルコース濃度はプロピオン酸塩を給与した時の方が無添加飼料を給与した時よりも高く,血液酢酸濃度は低かった.無添加飼料の血漿インスリン濃度はわずかに一時的に増加した.しかし,プロピオン酸塩添加飼料では採食後有意(P<0.05)に増加し,30〜45分に最大値に達した後,第一胃内および血液プロピオン酸が高い値であるにもかかわらず,徐々に低下した.第一胃内の生理的レベルのプロピオン酸はCa,KおよびNa塩にかかわらずインスリン分泌を刺激すると結論される.
社団法人日本畜産学会の論文