3段階の体重区におけるウシ骨格筋の筋線維横断面積の変動
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概要
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骨格筋線維の太さは食肉の柔らかさに影響を与える.この論文では,8種の骨格筋について育成および肥育期間中の筋線維の太さの変化を検討した.材料は黒毛和種とホルスタイン種とのF1の去勢牛において胸最長筋,三角筋,胸直筋,胸横筋,小腰筋,大腿筋膜張筋,半腱様筋,腓腹筋より採取した.比較は体重区250,450,600kgの3段階で行ない,頭数は各段階4頭,計12頭であった.筋肉の組織標本はパラフィン法で作製し,筋線維横断面積を画像解析装置を使って計測した.計測値から筋肉毎に筋線維横断面積の平均値を計算し,それらについて,体重(3区),筋肉(8種)および体重と筋肉の交互作用を要因に取り上げて分散分析を行なった.その結果,三角筋,胸直筋,小腰筋,大腿筋膜張筋は体重区に有意差のあることが示されたが,その他の4種の筋には何れも有意差が認められなかった.体重区間に有意差のあった4種の筋について,筋肉毎に,DUNCANのMULTIPLE RANGE TESTによって体重区間の有意差検定を行なった結果,いずれの筋肉でも,体重250kg区と450並びに600kg区との間には有意差があったが,450kg区と600kg区との間には有意差はなかった.これらの筋では,その筋線維横断面積平均値のほとんどが,1200μm2を越えなかった.また,体重250kg区で筋線維横断面積が1000μm2以下の筋線維が50%以上の構成割合を占める筋肉は体重600kg区に至っても,筋線維横断面積が2500μm2を越える太い筋線維を含むことはまれであった.即ち,体重区間で筋線維の太さに有意差を示した骨格筋は,細い筋線維の占める割合が高く,また,体重250kg区で細い筋線維が多い筋は,体重600kg区に至っても太い筋線維を含むことがまれであった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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三谷 克之輔
広島大学生物生産学部附属農場
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石井 隆
京都大学農学部
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石橋 武彦
九州東海大学農学部家畜生体機構学教室
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三谷 克之輔
広島大 生物生産 農場
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石橋 武彦
九州東海大学農学部
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石橋 武彦
九州東海大学
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三谷 克之輔
広島大学生物生産学部
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