飼料中の過剰量の鉄が妊娠ラットに及ぼす影響:母親と胎児の鉄,銅,亜鉛,マンガンおよびセレンの栄養状態について

概要

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銅を適当量および欠乏量与えられた妊娠ラットに対して過剰量の鉄を投与し,母親と胎児の微量元素の栄養状態を調べた.平均46日齢のウィスター系雌ラット40頭を,鉄適当量•銅適当量(鉄43mg/kg•銅6.0mg/kg),鉄適当量•銅欠乏量(43mg/kg•銅0.6mg/kg),鉄過剰量•銅適当量(鉄1165mg/kg•銅6.0mg/kg)および鉄過剰量•銅欠乏量(鉄1165mg/kg•銅0.6mg/kg)の飼料を与えられる4区に分け,交配した,妊娠20日目に屠殺し,血液,肝臓,腎臓,心臓,脾臓,大腿骨および胎児を採取した.飼料中の過剰量の鉄は母親の肝臓と心臓の重量を低下させ,胎児1頭当りの重量を増加させた.母親と胎児の組織中の鉄濃度は過剰量の鉄の投与によって増加した.また,過剰量の鉄は母親の肝臓中セレン濃度,肝臓•心臓中マンガン濃度および血清•大腿骨中亜鉛濃度,胎児の体中セレン濃度および体中•肝臓中マンガン濃度を低下させたが,母親および胎児の組織中の銅濃度を低下させなかった.一方,飼料中の欠乏量の銅は母親および胎児の組織中の銅濃度を低下させた.過剰量の鉄を与えられた母ラットの血清中鉄濃度と胎児の体中•肝臓中鉄濃度は欠乏量の銅の投与によって低下した.
社団法人日本畜産学会の論文