ブロイラーの骨成長に対する飼料中のアミノ酸,カルシウムおよび有効リンの影響
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概要
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栄養学的にブロイラーの脚異常を改善するため,雌ブロイラーの骨成長に及ぼす飼料中のアミノ酸,カルシウムおよび有効リン含量の影響を調べた.8日齢の雌ブロイラーを1区10羽9飼料区に分けた.ヒナをケージにて単飼し,14日間試験飼料および水を自由摂取させた.試験飼料は5つの必須アミノ酸がNRC要求量の80,100および120%に合うように3段階とし,カルシウムおよび有効リンは,50,100および150%の3段階になるように配合した.ただし,どの飼料においてもカルシウム:有効リン比は2.22:1と一定にした.成長に関して,飼料中アミノ酸とカルシウム-有効リン含量の間に交互作用は認められなかった.増体量は飼料中アミノ酸およびカルシウム-有効リン含量による有意な影響をうけなかった.飼料摂取量は飼料中アミノ酸含量により有意な影響がみられたが,飼料中カルシウム有効リン含量はこよる有意な影響はみられなかった.骨成長に関しては,脛骨の近位骨端部および近位骨幹部における骨密度に,飼料中アミノ酸とカルシウム-有効リンの間で交互作用が認められた.飼料中のカルシウム-有効リン含量を150%にしても,120%のアミノ酸飼料を給与した場合には,脛骨ではそれ以上の改善ははみられなかった.飼料中のカルシウム-有効リン含量は,脛骨の骨端部における縦方向の成長に関与し,骨石灰化を促進した.一方,アミノ酸含量は骨幹部における横方向の成長に関与し,骨石灰化だけでなく骨基質の形成も促進していることが示唆された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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