新生ウシの頸静脈血フラクトースおよびグルコースの濃度変化
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概要
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ホルスタイン種新生ウシ6頭を使用し,出生時,10,20,30および50時間後に採血した.そしてフラクトース(レゾルシンー塩酸法)およびグルコース(グルコースオキシダーゼ法)濃度を測定し,新生ウシの頸静脈血フラクトースおよびグルコースの濃度変化を観察した.フラクトース濃度は,出生時に高濃度(全血:53.8±16.5mg/100ml,血漿:54.5±19.3mg/100ml;平均値±標準偏差)であり,急激に減少して出生後約10時間でほぼ血中より消失した.この消失は,フラクトースの腎からの排泄がその主たる原因であると考えられる.グルコース濃度は,出生時に比較的低濃度(全血:57.8±9.9mg/100ml,血漿:63.0±14.6mg/100ml)であり,その後経時的に上昇し出生後30時間で最高濃度(全血:112.8±25.6mg/100ml,血漿:120.3±24.9mg/100ml)に達し,以後下降する.このグルコース濃度上昇は,出生によりフラクトースの供給が断たれ,フラクトースが消失したことにより生じたものと考えられるが,その機構については不明である.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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