新生子牛の血中グルコース濃度におよぼすフルクトース頸静脈内投与の影響
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概要
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新生子牛の出生後における血糖値変動を検索するために,4時間令,1,4,8,13週令においてフルクトースを静脈内に投与し,血漿グルコース濃度におよぼす影響を観察して以下の結果を得た.1. 出生直後のグルコース濃度上昇はフルクトース投与によって抑制され,また,投与フルクトースが血中より減少するにつれてグルコース濃度はふたたび上昇した.2. 1,4週令子牛では,フルクトース投与はグルコース濃度を約15〜40%ほど低下させ,明らかな低血糖効果を示した.3. 8,13週令では,4週令以前における低血糖作用とは逆に,フルクトース投与によりグルコース濃度は約40〜80%ほど上昇し,顕著な高血糖効果が観察された.4. これらの結果から,子牛の血中グルコース濃度が出生時に低いのは,血中に共存するフルクトースのグルコース濃度上昇抑制効果によるものであり,出生後における胎児性フルクトースの血中よりの消失がグルコース水準を上昇させる作用をもつものと考察した.また,出生後4〜8週令において子牛の糖代謝相が大きく変換するものと推論した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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