牛乳の品質と検査法
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概要
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牛乳の品質は一般に乳質という言葉で表現され,主として原料生乳を対象にその分野の研究が進められている.DAVIS34)によれば,乳質には化学的品質と細菌学的品質の2つの意味があり,さらに厳密にいえば,物理的品質もこれに包含される.原料生乳の品質は広く牛乳•乳製品の品質を左右するので,高品質の最終乳製品を製造するためには衛生的にも栄養的にも良質の原料生乳を生産することが前提となる.一方,最近特に大きな社会問題を提起している農薬,抗生物質,異種食品成分などによる牛乳汚染は,新しい異常乳質としてその実態調査や防除に関する研究が重要視されている.ここでは基本的な原料生乳の品質と新しい異常乳質に関する最近の問題を中心に,その化学的および微生物学的研究を論じ,さらに乳質の検査法に関する研究の進展を概説することにする.なお,乳質とその改善についてはすでに著者155)が解説しているので,乳質の基礎的事項に関してはそれを参照されたい.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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