筋肉内コラーゲンのラットの成長に伴う変化
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概要
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ラットの成長期における筋肉内コラーゲンの動態を,I, IIIおよびIV型コラーゲンに対する特異抗体を用いた免疫組織化学および加熱溶解性と溶解画分のSDS-PAGEによって検討した.一次筋線維束は誕生後から10週令までは太くなり,ラットの体重増加に一致した変化を示した.筋肉中のタンパク質含量は4週令まで増加し,その後はほぼ一定となった.一方,コラーゲン含量は4週令までは増加するがその後は減少し,10週令と7ヵ月令はほぼ同じ含有量で,4週令の約1/2であった.筋肉内結合組織,特に筋内膜は3週令において緻密な構造を呈する様になった.組織切片上における型別コラーゲンの出現順序は,まず筋内膜のIV型コラーゲン,次に筋周膜のI型そして3週令でIII型コラーゲンがはっきり確認できた.III型コラーゲンの筋周膜における膜状の分布と結合組織(筋周膜)の緻密化とは何らかの関連性があるものと思われた.筋肉内コラーゲンの加熱溶解性は牛などと異なり,ラットを用いた本実験では成長•加令に伴う顕著な変化は認められなかった,加熱溶解画分中にはI型コラーゲンに由来するバンドが2週令からはっきりと認められた.しかし,加熱処理時のIII型やIV型コラーゲンの挙動は不明であった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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