製茶における生葉洗淨の効果(第2報) : 農薬散布と洗浄ならびに品質の関係ついて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1959〜1960年において農業薬剤の散布と生葉洗浄の効果について試験し,茶に対する薬剤の残留量ならびに品質への影響を調査した。供試薬剤はアンチピリクリンT-146および同じくT-1421,石灰イオウ合剤ならびにメチルパラチオン乳剤である。品質との関係はいずれも普通審査によって検討したが,残留量の測定はアンチピリクリンとメチルパラチオンの2薬剤についてのみ行なった。その結果は大要次のごとくである。<BR>1. アンチピリクリンの残留量は非常に少なく,T-1421については散布当日摘採区に2.8ppmが認められたが,生葉水洗によってこの50%が減少した。なお,品質においては洗浄の有無による差は明らかでなかった。<BR>2. 石灰イオウ合剤の場合は試験した範囲では,いずれの洗浄剤の場合も茶に薬臭が残り洗浄の効果は十分に得られなかった。<BR>3. メチルパラチオンはAverell-Norris法を改良し,回収率100%,誤差3%で茶葉中のメチルパラチオンを定量した。<BR>その結果,摘採当日散布区では洗浄によって38.4〜67.2%が減少していたが,摘採2日前散布区では洗浄によってもほとんど滅少していなかった。また洗浄剤による洗浄効果はライポンF>カセイソーダ>水>塩酸の順であった。なお品質との関係ははっきりじた傾向がみられなかった.
著者
関連論文
- ツノロウムシが分泌するhoneydew中のアミノ酸について
- 茶樹を加害するキクイムシ類の生態, とくに根を加害するXyleborus germanus BLANFORDと, 枝を加害するXyleborus compactus EICHHOFFについて(予報)
- チャに寄生する2種のPestalotia属菌
- 茶樹を加害するキクイムシ類(Ambrosia Beetles)の二,三の生態,特に,根を加害するハンノキキクイムシ(Tea root borer, Xyleborus germanus BLANFORD)と枝を加害するシイノコキクムシ(Tea stem borer, Xyleborus compactus EICHHOFF)について
- コカクモンハマキ幼虫の未知生育因子について
- 製茶における生葉洗淨の効果(第2報) : 農薬散布と洗浄ならびに品質の関係ついて
- Incidence of a Pellicularia Disease (Black Rot) of Tea Plant in Japan
- Factors Affecting the Occurrence of Die-Back and Canker Disease of Tea
- Symptoms and Spread of a New Die-Back and Canker Disease of Tea Giving Heavy Damages Especially on Black Tea Variety "Benihomare" in Japan
- The Effect of Washing of Green Leaves on the Tea Manufacture (Part 3):Effect of Some Cleaners on the Tea Products and Some Draining Methods for Washed Leaves