ツノロウムシが分泌するhoneydew中のアミノ酸について
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概要
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茶樹に寄生するツノロウムシCeroplastes pseudoceriferus(GREEN)の虫体被覆物中にとりこまれているhoneydew中のアミノ酸構成をペーパークロマトグラフ法によって定性的に調べ, 茶樹樹皮中のそれと比較検討した。Honeydew中のアミノ酸およびアマイドは, 秋から春にかけてのいづれの時期でも質的な差異はなく15種のニンヒドリン陽性物質, すなわち, α-アラニン, アルギニン, アスパラギン酸, シスチン, グルタミン酸, グリシン, ロイシンまたはイソロイシン, リジン, フェニルアラニン, セリン, スレオニン, チロシン, バリン, テアニンおよび未同定物質一種を認めた。他方, 茶樹樹皮中からは, 季節によって若干の差異はあるが, 最高10種のニンヒドリン陽性物質すなわち, α-アラニン, アルギニン, アスパラギン酸, グルタミン酸, グルタミン, ロイシンまたはイソロイシン, セリン, スレオニン, バリンおよびテアニンを認めた。茶樹樹皮中に見いだされてhoneydew中に見いだされなかったグルタミンは, ツノロウムシによって完全に利用されたか, または消化管内で他の物質に転換されたと考えられる。また茶樹樹皮中に見いだされずhoneydew中に見いだされた6種のアミノ酸は, ツノロウムシまたはその共生微生物の代謝生産物としての考え方の他に, 各アミノ酸に対するツノロウムシの選択吸収の結果によって茶樹樹皮中のごく低濃度のアミノ酸がhoneydew中に蓄積されたものとも考えられる。
- 1964-06-25
著者
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