クックド•ソーセージに対するニトロフラン系(AF2)の防腐効果について
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概要
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最近新しく合成されたニトロフラン系防腐剤AF2を牛ひき肉に5〜20p.p.m.添加してクックド•ソーセージを調製し,これを4°Cまたは20°Cで4週間保存し,AF2のクックド•ソーセージに対する防腐効果を調査した.得られた結果の要点は次の通りである.(1) VBN(揮発性塩基窒素)について調査した結果によると,4°Cで4週間保存した場合,AF2を添加しない対照のものも,AF2を添加したものも,共に保存中VBN量には明らかな変化が認められず,4週間保存後もその値は30mg%以下を示し,腐敗臭は感じられなかつた.(2) しかし,20°Cで4週間保存した場合には,対照のVBN量は4週間保存後30mg%以上に達して腐敗臭を感ずるようになつたが,AF2を添加したものは,4週間保存後もVBN量が30mg%以下で,腐敗臭は感じられなかつた.(3) 細菌数について調査した結果によると,4°Cで4週間保存した場合には,一般にクッキング後の細菌数がきわめて少なく,しかも保存中にその数がほとんど増加しなかつたため,AF2添加による特別な効果はあらわれなかつた.しかし,4°Cで4週間保存中に嫌気性菌の数が増加した1例において,AF2を添加することにより嫌気性菌の増殖が明らかに抑制される事実が観察された.(4) 20°Cで4週間保存した場合には,対照の好気性菌数と嫌気性菌数は共に著しく増加したが,AF2を添加したものは,保存中における細菌の増殖が著しく抑制され,明らかにAF2の添加による防腐効果が認められた.(5) なお,AF2の防腐効果は,原料肉の性状や,同時に使用する他の添加物によつて種々影響を受けるものと考えられるので,今後さらにこれらの点について検討を加える必要がある.
著者
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安藤 則秀
九州大学農学部
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永田 致治
九州大学農学部
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平方 義彦
九州大学農学部畜産製造学教室
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大橋 登美男
九州大学農学部畜産製造学教室
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加香 芳孝
九州大学農学部畜産製造学教室
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安藤 則秀
九州大学農学部畜産製造学教室
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永田 致治
九州大学農学部畜産製造学教室
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