チャ輪斑病の有効な防除薬剤と散布時期
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
P.longiseta SPEG,によるチャ輪斑病の防除薬剤散布時期を水平拡散法,平板希釈法および,ほ場における防除効果で調査した。ほ場試験では大部分人工接種した茶園を用いて行なった。<BR>水平拡散法,平板希釈法ではポリオキシン,オキシカルボキシン,EDDP,フェナジンオキシドは効果不十分であった。チオファネートメチル,クロロタロニル,ジチアノン,カプタホル,ベノミル,キノメチオネート,ミルネブ,イソプロチオラン,イプロジオン,ジクロフルアニド各剤は効果が認められたため,ほ場試験で実際の効果を再調査した。銅水和剤は効果を認められなかったが、ほ場で再調査を実施した。<BR>ほ場において摘採直後に散布した場合,効果の高かった薬剤はチオファネートメチル水和剤1500〜10000倍,クロロタロニル水和剤600〜800倍,カプタホル水和剤2000〜5000倍,ベノミル水和剤2000〜3000倍,チオファネートメチル・有機銅水和剤600〜800倍,ベノミル・クロロタロニル水和剤500〜700倍,ジクAフルアンド水和剤600〜800倍,フルオルイミド水和剤800〜1000倍,カスガマイシン,塩基性塩化銅水和剤500〜800剤,キャプタン水和剤600倍,グァザチン液剤1000〜2000倍,カスガマイシン液剤1000倍であった。アニラジン水和剤800倍,トリァジメホン水和剤1000倍,石灰硫黄合剤50倍,バリダマイシン液剤1000倍,イプロジオン水和剤1000倍,ジチァノン水和剤1000倍,ポリカーバメート水和剤1000倍,キノメチオネート水和剤4000倍,ミルネブ水和剤1000倍,イソプロチオラン乳剤1000倍,石灰乳(水1lに対し生石灰6gの割合で溶かしたもの),塩基性塩化銅水和剤500倍,塩基性硫酸銅水和剤200倍,6-6式ボルドー液は効果が不十分又は効果が認められなかった。<BR>チオファネートメチル水和剤は2000倍液を用いた場合摘採後3日以内,5000倍液では摘採後1日以内の散布で実用的効果が認められた。防除効果は摘採後早く散布すればする程高かった。ベノミル水和剤2000〜3000倍もチオファネートメチル剤と同等の効果があると考えられた。<BR>クロロタロニル水和剤600〜800倍,カプタホル水和剤2000倍は摘採後1日以上経ると効果が著しく低下するため,摘採直後の散布が必要であった。カプタホル剤はクロロタロニル剤よりやや効果が高かった。
著者
関連論文
- チャ赤葉枯病菌 Glomerella cingulata (Stoneman) Spaulding et Schrenk におけるベノミル剤耐性菌の発生
- Pestalotia longiseta Spegazzini によるチャ新梢枯死症の発生とその感染時期および感染部位
- チャノコカクモンハマキ, およびチャハマキ成虫に対する酒粕の誘引特性
- A-48 性フェロモン利用によるチャのハマキムシ類の同時防除 : Iチャハマキに対する効果(フェロモン)
- チャノコカクモンハマキとチャハマキの(Z)-11-tetradecenyl acetateによる同時交信攪乱
- チャ輪斑病の有効な防除薬剤と散布時期
- チャ輪斑病菌Pestalotia longiseta SPEGAZZINI接種茶園における輪紋状病斑形成率,病斑上から分離される菌の種類,および病斑の大きさの品種間差異
- Pastalotia longiseta SPEGAZZINIの各種植物に対する病原性
- Pestalotia longiseta SPEGAZZINI によって起こるチャ新梢枯死症に対する有効な防除薬剤と散布時期
- チャ輪斑病防除における薬剤散布方法と防除効果
- 茶園における散水氷結法による凍霜害防止
- 展着剤加用によるチャ輪斑病防除薬剤の効果向上および茶葉への残留に及ぼす影響