Pestalotia longiseta SPEGAZZINI によって起こるチャ新梢枯死症に対する有効な防除薬剤と散布時期
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概要
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新梢枯死症に対する各種薬剤の茶園における防除効果を調査した。その結果,グアザチン剤(25%LF)500倍,IKF1216剤(50%WP)1000倍,カスガマイシン塩酸塩・塩基性塩化銅剤(5.7%,75.6%WP)500倍,ジクロフルアニド剤(50%WP)500倍,ベノミル・クロロタロニル剤(10%,60%WP)500倍,クロロタロニル剤(75%WP)600倍,ベノミル剤(50%WP)2000倍はぎわめて高い防除効果を示したが,グアザチン剤では新芽の黄化,萎縮,生育不良を伴う薬害が発生した。グアザチン・塩基性塩化銅剤(2.5%,73.5%WP)は上記薬剤についで高い防除効果を示した。塩基性塩化銅剤(84.1%WP)500倍,マンゼブ剤(75%WP)500倍,カプタホル剤(80%WP)1000倍は防除率はやや低かったが本症の発生抑制効果を示した。トリホリン剤(15%EC)1000倍,ホセチル剤(80%WP)500倍,イプロジオン剤(50%WP)1000倍,塩基性硫酸銅・塩基性硫酸亜鉛・炭酸マグネシウム剤(58%,15%,6%WP)500倍,ジメチリモール(12.5%LF)500倍,トリフルミゾール剤(30%WP)1000倍,ポリカーバメート剤(75%WP)600倍,トリアジメホン剤(5%WP)2000倍では実用的な防除効果は認められなかった。<BR>クロロタロニル剤,カスガマイシン塩酸塩・塩基性塩化銅剤を用い,新芽の生育期に1〜3回薬剤を散布した場合,散布時期は早いほど効果が高く,また散布回数が多いほど防除率が高くなる傾向にあった。しかし,防除効果,薬剤費,散布労力を考慮すると萌芽期と2葉期の2回散布が実用的であると考えられた。
- 日本茶業技術協会の論文
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