Pastalotia longiseta SPEGAZZINIの各種植物に対する病原性
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概要
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Pestalotia longisetaの各種植物に対する病原性を明らかにする目的で,枝,茎から切り放した葉,および自然条件下で生育している葉に対し分生子懸濁液を有傷接種し,病斑形成の有無を調査した。前者の試験では39科80種(品種系統を含む)の植物に対し接種をした結果,11科19種の植物で病斑が形成され,かつ病斑上にP.longiseta分生子が形成された。この内,ヤポンノキ,ココヤシではすべての接種葉で病斑が形成され,イヌマキ,クロマツ,ヒノキ,クリ(5-6系統),ヒガンザクラ,オウトウ,ナシ(長十郎,新水),モチノキ,トウカエデ,タカオモミジ,カキ(富有,次郎)では接種葉の50%以上で病斑が形成された。イチゴ,ビワ,欧米系ブドウ(紅瑞宝),サザンカにおいても病斑形成が認められた。また,自然条件下で生育している葉を供試した試験では,イヌマキ,ヒガンザクラ,イチゴ,ヤポンノキ,タカオモミジ,カキ,およびチャ(やぶきた)で病斑が形成され,病斑上にP.longiseta分生子層が形成された。以上の結果からP.longisetaは多種の植物に病原性を示すことが明らかとなり,P.longisetaが茶園で突然発生し始めた原因の一つとして,チャ以外の植物からチャへの本菌の移行が考えられた。<BR>なお,一部植物の種の同定にあったては国立科学博物館筑波実験植物園育成研究室の松本定氏にご指導を仰いだ。厚くお礼を申し上げる。また,本報告文をまとめるにあたり,ご懇切なるご指導を賜った農林水産省茶業試験場病害研究室長成澤信吉博士に深甚なる謝意を表する。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
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