ランドレース種のPSE豚肉の淘汰におけるハロセン,H,PHIおよび6PGD型の有効性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本のランドレース種に見い出さらたPSE豚肉を,ハロセンテストと血液型検査によって遺伝的に検討した.日本の3つのランドレース種集団(岩手,静岡,東京)で,90kg時に屠殺された豚の新鮮肉を用いて測定した理化学的性状とハロセン感受性,H, PHI, 6PGD型との関係を,分散分析によって各々の集団ごとに調査した.保水力,硬さ,45分pH,肉色,明度,伸展率およびR値などで不良な肉質を示す個体は,主としてハロセン陽性,Ha型,PHI-BB型であった.ハロセン感受性またはH, PHI型などの血液型の組合わせによって説明さらる分散は,調査した2つの集団で肉質の分散の大きな部分を占め,有意なF値を示した.とくに静岡集団では,いくつかの理化学的性状の分散の30〜60%が,血液型の組合わせによる分散によって占められていた.その結果,PSE豚肉を遺伝的に淘汰するためにHとPHI型が有効であることが,岩手と静岡集団において再確認された.ハロセン感受性とH, PHI, 6PGD型の遺伝的な関係を静岡と東京集団を用いて調査した.2集団におけるハロセン感受性と血液型の関係の程度は,少し違っていた.PHI-BB型は両集団でハロセン感受性と密接に関係していたが,6PGD型は静岡集団においでのみハロセン感受性と関係していた.各々の集団におけるハロセン感受性と血液型の関係の程度が,PSE豚肉を淘汰する際の血液型の有効性に影響を与えることが推察された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
-
大石 孝雄
農林水産省畜産試験場
-
兵頭 勲
東京都畜産試験場環境畜産部
-
仁昌寺 博
岩手県畜産試験場
-
堀内 篤
静岡県養豚試験場
-
兵頭 勲
東京都畜産試験場
-
大石 孝雄
農林水産省中国農業試験場畜産部
関連論文
- 毛色関連遺伝子の多型を用いた日本の主要豚品種推定法について
- ウズラ初期胚のニワトリ卵殻を用いた培養
- 良い豚肉をつくるための生産現場からの提言 : トウキョウXの造成を例として
- 非破壊変形を指標とした卵殻強度の強弱2方向選抜
- 畜産における消費ニーズの多様化と新品種
- 豚の遺伝資源の保全と利用
- 動物遺伝資源を巡る現状とその問題点
- 放牧飼養における黒毛和種繁殖牛の分娩後の繁殖性に及ぼす年次,季節,産次,産子の性,乳量の影響
- ランドレース豚の産肉形質の選抜の経過に伴う多型遺伝子頻度の推移
- 豚精漿蛋白質の遺伝的多型
- 血液型および蛋白多型遺伝子頻度に基づく主成分分析による12豚品種の遺伝的関係の考察
- 日本のランドレース豚における血清中の骨格筋由来酵素活性と肉の物性値との関係
- 肉用牛の採食量に及ぼす品種,放牧地条件の影響
- ランドレース種のPSE豚肉の淘汰におけるハロセン,H,PHIおよび6PGD型の有効性
- 血液型からみたゲッチンゲンミニ豚ヨーロッパおよび東アジア豚の遺伝的関係
- 豚の赤血球酵素PHI,6PGD,PGMおよびADA型の出現頻度の品種間差異と親子鑑別における有効性
- 豚血清中に検出された3種のアロタイプ
- 豚の血液型および生化学的遺伝形質の育種•遺伝学的利用
- デュロック種の血液型変異と他品種との此較
- Tokyo-X 豚の育種とその肉質
- 血液型および蛋白質多型からみた黒毛和種2集団の遺伝的変異性
- 血清蛋白質型4座位による無角和種(B1)の遺伝的分析
- 黒毛和種雌牛の生涯的な繁殖能力
- 乳酸脱水素酵素アイソザイムcDNAによるブタの制限酵素断片長多型(RFLPs)