肉用牛の採食量に及ぼす品種,放牧地条件の影響

概要

論文の詳細を見る
放牧地における肉用牛の入牧後1時間の採食量と品種,ならびに放牧地条件との関係を明らかにするため,黒毛和種と無角和種の雌牛をそれぞれ5〜8頭用い,中国農業試験場畜産部と山口県畜産試験場の放牧草地において試験を行なった.1981年5,7,9,11月は耕起造成草地で,1982年5,7,10月(山口畜試は9月)は不耕起造成草地において各3日間ずつ,16時間の絶食後の1時間当り採食量を測定した.分析は各個体の採食量の3日間の平均値について品種,試験場,試験実施時期,およびこれらの主効果間の交互作用を変動因とする分散分析を行なった.入牧後1時間の採食量の全平均とその標準誤差は4.6±0.1kg/hrであった.黒毛和種と無角和種の採食量はそれぞれ4.4,4.9kg/hr,中国農試と山口畜試における採食量はそれぞれ4.0,5.2kg/hrであり,その差はいずれも有意(P<0.001)であった.さらに,試験場と品種との間に交互作用が認められた(P<0.001).また,試験実施時期間差,試験場と試験実施時期との間の交互作用も有意(P<0.001)であった.それぞれの試験場における各試験実施時期ごとの平均採食量が多くなるほど,その時期の無角和種の採食量が多くなる傾向が認められ,平均採食量Xと品種間差Y(無角和種-黒毛和種)との間にはY=-1.27+0.38 X(R2=0.53,P<0.01)の関係が得られた.
社団法人日本畜産学会の論文

肉用牛の採食量に及ぼす品種,放牧地条件の影響

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク