日本のランドレース豚における血清中の骨格筋由来酵素活性と肉の物性値との関係
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概要
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産肉能力検定中のランドレース76頭を供試して,安静時における血清中のクレアチン•ホスホキナーゼ(CPK),アルドラーゼ(ALD)および乳酸脱水素酵素(LDHt)の活性と乳酸脱水素酵素のアイソザイムパターンを調査した.血清中の酵素測定のためには日齢139.7±10.5で耳静脈から採血し,そのうち61頭は屠体形質と肉の物性測定値調査のため,体重が90kgに達したとき屠殺した.屠殺時の日齢は150.8±10.2であった.極端に高いCPK,ALD,LDHt活性と極端に高いLDH5アイソザイムの比率を示すものが61頭中に10頭認められた.肉の保水力と硬さおよびハンターのL値が不利な値をもつ個体は,血清酵素が正常な群よりも,同酵素が極端な値をもつ群に多く認められた.CPK活性およびLDH5の比率と肉の保水力および硬さとの間には,統計的に有意ではあるが低い相関しかないことが再確認された.また,LDHtおよびLDH5と前記3物性値の変異を標準化して構成した"肉の特性指"との間にも有意ではあるが低い相関が認められた.不利な物性値を示す肉になりやすいストレス感受性豚を検出するための,安静時の血清中骨格筋由来酵素活性測定の機能と限界について考察した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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渡辺 昭三
農林省畜産試験場育種部育種第2研究室
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姫野 健太郎
農林省畜産試験場繁殖部
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秋田 富土
農林省畜産試験場
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仁昌寺 博
岩手県畜産試験場
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伊藤 菁
岩手県畜産試験場
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西田 朗
岩手県畜産試験場
-
姫野 健太郎
農林省畜産試験場
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