ブロイラー用鶏の育種に関する研究 : II. 各交配鶏種の屠肉歩留りの比較
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概要
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この報告は,発育および飼料要求率について述べた第1報10)の供試材料を屠殺解体して得た成績を示している.すなわち,純粋種群としては,横班ロック(BP),名古屋(NG),ニューハンプシヤー(NH),白色レグホン(WL)および白色ロック(WR)の5種を用いた.また交配種群は,雄に白色コーニッシュ(バントレス系,CV), BP, NH, WLおよびWRの5種を,雌にBP, HN, WLおよびWRの4種を用い,合計15種の組合せによつてできたものである.これら両群の各鶏種から,それぞれ10〜30羽を無作意に選んで,総計266羽を屠殺解体した.1. 20種の交配種におけるブロイラー歩留り(材料および方法の項で既述)の平均は66.7%である.CV(♂♂)×NH(♀♀)の子孫は,最高歩留り(72.1%)を示した.しかし,各交配鶏種の間には,有意差がみられなかつた.2. 各交配鶏種の精肉歩留り(既述)の平均は,40.0%である.交配種群は,純粋種群よりもすぐれ,各雄別の交配群間には,高度の有意差がみられた.鶏種のうちCV(♂♂)×NH(♀♀)およびCV(♂♂)×WR(♀♀)の子孫の精肉歩留りは,それぞれ45.1%および44.5%で,きわめて良好であつた.3. 交配種群は,純粋種群に比べて,生体重に対する全骨重量の割合が小さかつた.4. ブロイラー歩留りおよび精肉歩留りにおいて,性別の差は全く存在しなかつた.5. 生体重とブロイラー重量,精肉重量,全骨重量,および脚重量との間の相関は,いずれも0.8以上である.また精肉重量と全骨重量との間には,0.7以上の相関係数が認められる.6. 以上の実験成績をみれば,ブロイラー生産には,純粋種よりも交配種を用いるほうが有利である.また生体重や精肉重量と全骨重量との間に,高い相関値がみられたことから,一般に,軽骨豊肉のブロイラー鶏種を作ることは,困難であるといえる.
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