子山羊の消化管内における牛乳の消化
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概要
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32日令の日本在来種子出羊に1日400mlの牛乳を2回(9時,16時)給与し,給与直前(9時)給与3時間後(12時)および7時間後(午後の給与直前)に各々3頭づつを屠殺し,胃,小腸における全内容物を採取した.その結果,胃内容物中の窒素および脂質は胃からほぼ一定の速度で消失するのに対し,乳糖の胃からの消失割合は指数函数的であった.胃内容物中の全窒素に対するTCA可溶性窒素の割合は給与3時間後は22%,7時間後は45%であった.小腸内容物の窒素の大部分は可溶性で,可溶性窒素に対するTCA可溶性窒素の割合は,給与3時間後では78%,7時間後では80%であり,牛乳たんぱく質の小腸内での消化が急速に行われることが示された.乳糖は小腸内で急速に加水分解されたが,小腸内容物中ではガラクトース濃慶はグルコースより高く,小腸からのグルコースの吸収はガラクトースのそれより早いことが観察された.小腸内の脂質量は牛乳給与後時間の経過に伴ない増加し,脂質の吸収が比較的遅いことが示唆された.牛乳に添加したCr2O3とPEG(polyethylene glycol)の消化管内における分布からCr2O3は牛乳のたんぱく質,脂肪のindexとしてまたPEGは乳糖のindexとして適当であることが示された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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