分離大豆蛋白質を唯一の蛋白質源とした代用乳を給与した子山羊の発育と栄養素の利用について
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概要
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8日令の日本在来種子山羊を用い,代用乳の蛋白質源としての分離大豆蛋白質の栄養価を牛乳蛋白質のそれと比較した.試験1では分離大豆蛋白質を唯一の蛋白質源とした代用乳(基礎飼料)に対する微量ミネラル混合物,ビタミン混合物または抗生物質(クロールテトラサイクリン)の添加効果を検討した.基礎飼料を給与した子山羊の増体量は全乳を給与した区の73%であった.微量ミネラル混合物,ビタミン混合物または抗生物質の添加は子山羊の発育および窒素の蓄積量には有意な影響を及ぼさなかった.分離大豆蛋白質の窒素の消化率は平均90.5%で,牛乳蛋白質の消化率(96.8%)より有意に低かった.試験2では,牛乳蛋白質に比較して分離大豆蛋白質に不足している必須アミノ酸(メチオニン,バリン,ロイシン,リジン)の添加効果を検討した.子山羊の増体量はL-メチオニンの添加により若干改善されたが,その他のアミノ酸の添加効果は認められなかった.試験3では分離大豆質に対するメチオニンの最適添加水準を決定するため,L-メチオニンを飼料中に3レベル(0.1,0.2,0.4%)添加した.子山羊の増体量および窒素の蓄積量は0.1%のL-メチオニン添加により若干改善されたが,メチオニンの添加量をこれ以上増加しても効果は認められなかった.分離大豆蛋白質を唯一の蛋白質源とした代用乳(飼料の全エネルギーの30.3%を大豆蛋白質より供給)を給与した子山羊における(メチオニン+シスチン)の要求量は飼料100Kcal当たり142mg(2,73g/16g窒素,または飼料の乾物当たり0.75%)であった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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