蛋白質源とした子牛の液状精製飼料
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概要
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子牛の液状精製飼料を研究するため,四つの実験を行った.実験1では日本在来種子山羊を用いて精製飼料に対するクロールとテトラサイクリン(CTC)の添加効果を検討するため,CTC混合物(1g中に55mgのCTCを含有)を飼料中に4レベル(0,0.05,0.1,0.2%)添加し,9日令より4週間の発育試験を行った.精製飼料の蛋白質源としてはカゼイン(ソディウムカビイネート)を,脂肪源としてはバターを,炭水化物源としては乳糖を用いた.対照区の子山羊には,牛乳または山羊乳しを給与した.その結果,増体量は各区間に差はなく,CTCの添加効果は認められなかった.精製飼料の蛋白質,乳糖,脂肪の消化率は牛乳および山羊乳のそれぞれの消化率とほぼ同じ値を示した.実験2と実験3では,実験1で用いた精製飼料をホルスタイン雄子牛に給与し,牛乳を給与した子牛とその成長を比較したところ,4週間の増体量は,両区ともほぼ同じであった.実験1,2および3で用いたバターは,脂溶性ビタミンをかなり含んでいるものと考えられるので,実験4では精製飼料の脂肪源としてほとんどビタミンを含まないオリーブ油を用い,子山羊の成長試験を行った.その結果,精製飼料を給与した子山羊の成長は牛乳を給与した区のそれとかわらなかった.これらの四つの実験より,牛乳と同一の栄養価を有する子牛の液状精製飼料が完成したものと考えられる.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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