乳用種雄子牛の心拍数と熱発生量の関係について : 個体差の検討
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概要
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心拍数(HR)から熱発生量(HP)を推定する方法における,いくつかの問題点を解消するために,両者の関係の再検討を試みた.本報では主として,個体差を捨象する処理方式について検討した.供試牛には,体重約100-150kgの乳用種雄子牛6頭を用いた.各個体ごとのHRとHPの相関関係は極めて高く(r=0.924∗∗-0.960∗∗),両者の密接な関係を再確認するものであったが,同時に個体差も明瞭に認められた.個体差は,HRと,単位体重当たりのHP(Kcal/kg•hr)にあり,前者の解消方法は,朝の給飼前の安静時のHRを基準にして表示した相対心拍率(RHR)を用いることにより,また後者の解消には,メタボリックボディサイズ(Klca/w0.75•hr)当たりで表示することにより,ほぼ達成することができた.したがってHRからHPを推定する方法としては,1)RHR(χ)を求め,この値を下記の(1)式に代入し,yすなわちHP(Kcal/w0.75•hr)を求めるか,2)HPそのものよりも,HPの相対変化,すなわちHPの経時的変化や比較を重視する事例においては,RHR(χ)から(2)式を用い,相対熱発生率(RHP,y)を求めることを提唱したい.(1)y=4.3862χ+0.1588[χ: RHR, y:HP Kcal/W0.75.hr,r=0.906∗∗, SE of regression coefficient: ±0.1886∗∗, SD of estimate: ±0.5102](2)y=0.9547x+0.0527[x:RHR,y:RHP,r=0.938∗∗, SE of regression coefficient: ±0.0324∗∗, SD of estimate:±0.0877]∗∗ P<.01.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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