育成鶏の心拍数測定方法とその変動要因についての検討

概要

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1.鶴の心拍数の変化を指標に飼育環境や飼育管理条件を評価・検討するための基礎的研究として、平均心拍数の測定方法と心拍数に影響をおよぼす種々の要因について検討を加えた。2.供試鶏は4-10週齢までのブロイラー準専用種で、心拍数は個体ケージ内、無拘束の状態でポリグラフを用い測定した。3.平均心拍数(回/分)は5分毎、6秒間の測定を基に0.5〜2時間にわたる測定値から求めた。測定時刻は、消灯前・後各1〜2時間とすると、明期の活動・覚醒時と、暗期の安静・休息・睡眠侍の値を一度に得ることができ、極めて効率的であると考えられた。行動形と対応した心拍数を定めることは、変化のはげしい鶏の行動から困難であった。4.成長に伴う心拍数の漸減傾向は、明・暗期ともに明瞭に認められた。しかしながら同一週齢時における体重と心拍数の相関関係は認められなかった。5.採食と心拍数の関係は、他の行動と区別しうるほどの特徴を示すものではなく、給・廃飼よりも、明・暗周期が心拍数に対しより大きな影響を示した。絶食による心拍数の減少は明瞭であった。6.長期間の高温感作に伴う心拍数の変化は、飼料摂取量や直腸温の変化に比べ、特に変わった情報をもたらすものではなかった。鶏の心拍数の測定に心電計が用いられてからの歴史はそう長いものではないが、最近のテレメーター技術の応用などにより、これまで心拍数の測定に際し大きな障害となっていた拘束や測定者の影響を取り除くことに成功し、鶏の種々の飼育管理技術について、心拍数を生理指標として研究を進める道が広く開かれるに至ったとみることができる。一方鶏の心拍数に関する研究成果についても、成長に伴うその漸減傾向などの年齢と心拍数の関係(小池ら(1966)、F_<LICK>(1967)、S_<TURKIE>ら(1972))、高体温時のその増加傾向に代表される温・湿度および風速との関係などの環境条件との関係(L_<INSLEY>ら(1964)、W_<HITT0W>ら(1964)>、S_<IEGEL>ら(1968)、H_<ARRISON>ら(1969)・S_<TURKIE>ら(1970))、絶食・絶水による変化や摂取飼料との関係(F_<RANCIS>(1963)^9)>、H_<OLLANDS>ら(1965)、F_LICK>(1967)、J_<OSHI>ら(1971))あるいは明・暗条件や日変化について(M_cN_<ALLY>(1941)、S_<TURKIE>(1963)、松本ら(1966)、C_<AIN>ら(1970、1971)、森山ら(1970)、松本(1971))など、すでに多方面から検討されている。しかしながら測定時間や時刻あるいは測定回数などを含めた平均心拍数の算出方法、採食や休息などケージ内での鶏の行動形との関係、明・暗条件との対応関係、あるいは心拍数とエネルギー代謝との関係など、必ずしも充分に検討されるに至っていない。これまでに著者らは(三村ら(1971)、山本ら(1971))家畜の呼吸数の変化を、体感温度の判定指標として利用してきたが、これと同様に、心拍数を、飼育管理条件を生理的に評価する指標として確立することを目標に理条一連の実験を行っており、本報では測定方法の検討、行動形との関係、明暗・条件との関係、飼料摂取および絶食との関係などについて検討した結果を報告する。
1976-03-10

育成鶏の心拍数測定方法とその変動要因についての検討

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