Perfluorobutane(Sonazoid®)造影超音波検査を施行した肝毛細血管性血管腫の1例
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概要
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症例は65歳男性.肝S5/8に28 mm大の造影CT早期相で濃染する腫瘤を指摘され精査を行った.腹部超音波検査では内部不均一な低エコーの腫瘤を認めた.Perfluorobutane(Sonazoid®)造影超音波検査では,動脈優位相で腫瘤は速やかに,全体に比較的均一に,強く造影された.門脈優位相では,造影効果が残存し,後血管相では,周囲肝実質とほぼ等エコーとなった.悪性腫瘍を否定できず肝生検を施行し肝毛細血管性血管腫と診断した.毛細血管性血管腫は拡張した血管腔を欠くため血流が早く,比較的早期に均一な血液の流入を認めるため,造影早期相で比較的早く均一に濃染し,造影効果が遷延するとされている.Sonazoid®造影超音波検査にて特徴的な所見を観察しえたと考えられた.
著者
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上野 誠
神奈川県立がんセンター消化器内科
-
宮川 薫
神奈川県立がんセンター消化器内科
-
大川 伸一
神奈川県立がんセンター消化器内科
-
宮川 薫
神奈川県立がんセンター内科第2科
-
亀田 亮
神奈川県立がんセンター消化器内科肝胆膵
-
小林 智
神奈川県立がんセンター消化器内科肝胆膵
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