精神疾患のトランスレーショナルリサーチ—統合失調症—
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概要
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精神疾患によって失われる普通の健康な生活は,他のすべての疾患と比較して最も大きいことが知られており,社会的経済的な影響は重大である.精神疾患の代表である統合失調症の治療薬である抗精神病薬はその効果が偶然見出された薬剤の発展型であるが,これらを用いると20〜30%の患者さんが普通の生活を送ることができるものの,40〜60%が生活全体に重篤な障害をきたし,10%が最終的に自殺に至る.そこで統合失調症の病態に基づいた新たな治療薬の開発が望まれており,分子遺伝学と中間表現型を用いて,統合失調症のリスク遺伝子群を見出す研究が進められている.これらのリスク遺伝子群に基づいた治療薬の開発研究が始まっており,今後の成果が期待される.
著者
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橋本 亮太
大阪大学 大学院医学系研究科精神医学教室
-
武田 雅俊
大阪大学 大学院 医学系研究科 病態情報内科
-
橋本 均
大阪大学 大学院 薬学研究科神経薬理学分野
-
新谷 紀人
大阪大学 大学院 薬学研究科神経薬理学分野
-
馬場 明道
大阪大学 大学院 薬学研究科神経薬理学分野
-
橋本 均
大阪大学 大学院薬学研究科神経薬理学分野
-
安田 由華
大阪大学 大学院 医学系研究科情報統合医学講座精神医学教室
-
大井 一高
大阪大学 大学院 医学系研究科情報統合医学講座精神医学教室
-
福本 素由己
大阪大学 大学院 医学系研究科情報統合医学講座精神医学教室
-
山森 英長
大阪大学 大学院 医学系研究科情報統合医学講座精神医学教室
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