聴覚刺激の偶発学習が長期インターバル後の再認実験の成績に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究はランダムな音列の記憶が長期に保持されるか否かを間接再認手続き(寺澤・太田,1993)を用い,集団実験によって検討した.間接再認手続きは2つのセッションから構成される.第2セッションは一般的な再認実験であり,リスト学習とそのリストに関する再認判断が求められ,第1セッションで音列を聴いた影響がその再認成績に基づき検討される.セッション間には4週間(実験1)と14週間(実験2)のインターバルが入れられた.実験参加者は各セッションにおいて提示される音列のそれぞれについて好意度評定が要求された.第2セッションのみ,好意度評定実施後,直前の好意度評定で聴いた音列かどうか判断することが要求された(間接再認テスト).実験の結果,第1セッションに出現した音列に対するヒット率と虚再認率が,出現していない音列に比べ2割から3割程度高くなることが明らかとなった.このことから,符号化の難しい聴覚情報が潜在記憶として長期に保持される可能性が示された.教育的な応用可能性が議論された.
著者
関連論文
- 英単語学習における自覚できない学習段階の検出 : 長期に連続する日常の場へ実験法を展開する
- 学習 A-5 熟知度に現れる英単語学習の積み重ねの効果(1) : 長期学習実験3カ月目のデータ
- 次世代の教育評価技術を用いた新たな学習支援(自主シンポジウムD5)
- 聴覚刺激の偶発学習が長期インターバル後の再認実験の成績に及ぼす影響
- P2-14 高不安者の脅威刺激への注意バイアスが記憶バイアスに及ぼす影響
- PD114 ドリル学習に対するやる気を高める新しい到達度評価の可能性(ポスター発表D,研究発表)
- 19 潜在記憶研究から英語教育への貢献 : 新しい学習効果測定法の可能性(自主シンポジウム)
- メロディの偶発学習が2ヵ月後の再認判断に与える影響
- 間接再認手続きによる言語的符号化困難な音列の潜在記憶の検出
- マイクロステップ計測技術による客観的で連続した個別到達度評価の実現(指導に生かせるテストと評価を目指して,準備委員会企画シンポジウム,日本教育心理学会第48回総会概要)
- 学習データの新しい蓄積・解析法 : データ蓄積型CAIおよびフリーアキュムレーション法の提案
- P2-16 中学生を対象とした3か月間の継続的な抑うつの測定 : 心理的介入に向けた探索的研究(ポスター発表(2))
- 指導に生かせるテストと評価をめざして(準備委員会企画シンポジウム4)
- P3-28 マイクロステップ計測技術の漢字書き取り学習への応用 : 書字練習回数が学習効果に与える影響(教授・学習,ポスター発表)
- P4-41 ドリル学習の成績のフィードバックが動機づけに及ぼす影響 : 中学生を対象とした漢字の書き取り学習の実践(教授・学習,ポスター発表)
- PF-082 Web上での学習者間相互交流の仕組みがeラーニングに対する動機づけに与える効果(II)(教授・学習,ポスター発表)
- PE-026 学習回数とタイミングが漢字の読みの習得に及ぼす影響 : 連続学習事態における学習効果の縦断的評価(測定・評価,ポスター発表)