GTL軽油およびBTL軽油の組成分析

概要

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Gas to Liquid（GTL）軽油およびBiomass to Liquid（BTL）軽油の組成をGC-FIDおよびGC-MSを用いて分子レベルで解析した。化合物の同定は市販試薬，著者らが合成した分析用標準試薬および市販の質量スペクトルライブラリーとの照合により行った。BTLの分析にはオープンカラムクロマトグラフィーによる飽和留分，オレフィン留分，芳香族留分および極性留分への分別を併用した。さらに，BTL中に含まれるオレフィン留分全体のタイプ別構造を明らかにするため，BTLを水素化処理した場合の飽和留分のタイプ別濃度変化を求めた。GTLにはパラフィン類のみが認められ，17 wt%が直鎖パラフィン類，20 wt%がモノメチルパラフィン類で，残りの63 wt%はその他の分岐パラフィン類であった。その他の分岐パラフィン類のほぼ半分はGC-FIDクロマトグラム上のピークとして分子量とその濃度が求められたが，残りの半分はクロマトグラムのベースラインのドリフトとして存在し，非常に多くの化合物がそれぞれ少濃度で連続的に含まれていることが示された。BTLのクロマトグラムはベースラインのドリフトが小さく，特定の化合物が高濃度で含まれていた。飽和留分は75 wt%で，直鎖パラフィン類が60 wt%，モノメチルパラフィン類が8.5 wt%，その他の分岐パラフィン類およびシクロパラフィン類が合計で7.5 wt%であった。オレフィン型化合物の濃度は22 wt%で，直鎖の1-オレフィンおよび2-オレフィン類（シスおよびトランス）が主成分であったが，シクロオレフィンも0.3〜0.4 wt%の濃度で認められた。水素化処理により直鎖パラフィン類の濃度が18 wt%，モノメチルパラフィン類の濃度が2 wt%，その他のパラフィン類およびシクロパラフィン類の合計濃度が2 wt%増大し，オレフィン型化合物はそれに対応する濃度で存在すると考えられた。芳香族化合物の濃度は2.5 wt%で，ベンゼン類が1.9 wt%，テトラリン類/インダン類が0.4 wt%，ナフタレン類が0.2 wt%であった。極性化合物の濃度は0.88 wt%で，1-アルコール類が0.4 wt%，2-ケトン類が0.13 wt%，アルデヒド類が0.4 wt%，未同定化合物が0.25 wt%であった。

GTL軽油およびBTL軽油の組成分析

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