直留ナフサおよびFCCガソリン中の硫黄化合物の分析
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概要
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直留ナフサおよび接触分解ガソリンに含まれる硫黄化合物を選択的硫黄検出器付きガスクロマトグラフを用いて定量した。硫黄化合物の定性的分析には,オープンカラムクロマトグラフィーと硝酸銀水溶液処理を併用した。さらに同定のため,市販試薬,合成分析用試料および市販の質量スペクトルライブラリーを活用した。直留ナフサの硫黄濃度は242 ppmで,83化合物が同定された。硫黄化合物の組成はチアシクロアルカン類が34 wt%,チオール類/スルフィド類が38 wt%,チオフェン類が12 wt%,ジスルフィド類が11 wt%,未同定化合物が5 wt%であった。接触分解ガソリンの硫黄濃度は154 ppmで,41化合物が同定された。硫黄化合物の組成はチオフェン類が46 wt%,ベンゾチオフェン類が32 wt%,チオール類/スルフィド類が14 wt%,チアシクロアルカン類が4 wt%,ジスルフィド類が0.6 wt%,硫化水素が0.3 wt%,未同定化合物が3 wt%であった。軽質留分の硫黄化合物の定量的分析にはオープンカラムクロマトグラフィーと硝酸銀水溶液処理の併用が有効であることがわかった。軽質留分中の硫黄化合物の組成から脱硫の難易が予測可能であることが,脱硫の結果より示唆された。
- 2008-07-01
著者
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鳥羽 誠
(独)産業技術総合研究所 新燃料自動車技術研究センター
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葭村 雄二
(独)産業技術総合研究所 新燃料自動車技術研究センター
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葭村 雄二
(独)産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門
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鳥羽 誠
(独)産業技術総合研究所
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三木 康朗
(独)産業技術総合研究所
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葭村 雄二
(独)産業技術総合研究所新燃料自動車技術研究センター
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