ニセアカシア(Robinia pseudoacacia L.)は渓畔域から除去可能か?
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概要
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本研究は生物多様性に影響を与えている帰化植物ニセアカシアを除去し在来樹種による渓畔林の再生を目的とした。1997年2月に荒川上流の渓畔域に分布するニセアカシアを伐採除去し,すでに中下層木として侵入している在来樹種の林分に転換できるかどうか検討した。ニセアカシアの伐採後,切株や地下の水平根から1個体当り平均49.6本の萌芽が発生した。水平根からの萌芽は,土壌深11cm以内の浅いところから発生した。伐採後に,相対照度と林冠の空隙率は増加したが,中下層木として侵入していた在来の渓畔林構成樹種の枝葉の伸張によって,5年間で伐採前の値にもどった。その結果,これらの萌芽は年々減少し5年後には大部分の萌芽が枯死した。このように,在来樹種が中下層木として混交しているニセアカシアの林分では,伐採によって比較的たやすくニセアカシアを除去することが可能であった。This study examined the rehabilitation of native riparian forests by removing an exotic plant, Robinia pseudoacacia L., which influences the biodiversity of riparian forests. In February 1997, all the R. pseudoacacia canopy trees were cut down in an upstream riparian zone along the Arakawa River, while native trees in the sub-canopy and lower layer were left. After cutting, a mean of 49.5 sprouts, including root suckers, emerged per individual on stumps and horizontal roots. Root suckers emerged from horizontal roots located up to 11cm underground. The number of such sprouts, including root suckers, decreased yearly, and most died afte five years. After cutting, the relative light intensity and mean openness increased rapidly, but returned to pre-cutting levels after five years with the growth of branches of the native riparian trees. These results suggest that it is possible to remove R. pseudoacacia trees fromriparian ecosystems when they are mixed with native trees.
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