スギ柱材の中温乾燥における重量選別基準の検討(第1報)
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概要
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スギ柱材の生材密度の分布を把握するため、県内の製材工場や乾燥施設においてスギ柱材(断面寸法13。0~14。3cm)の人工乾燥前の密度(重量)を調査した。次にこの結果に基づいて試験材を選別し、中温乾燥試験を行い、生材密度と乾燥時間の関係について検討した。得られた結果は以下のとおりである。(1)スギ柱材の生材密度は0。37~1。04g/cm3の非常に広い範囲に及んだ。そのうち0。60g/cm3以下の材が約半数を占めた。(2)中温乾燥試験において、生材密度が0。55g/cm3以下のグループでは350時間でほとんどが含水率20%以下に、また、0。56~0。60g/cm3のグループでは20%程度に乾燥した。しかし、0。61g/cm3以上のグループでは30%を越えるものがほとんどであった。(3)平均年輪幅および全乾密度と仕上がり含水率の間には明らかな関係は認められなかった。(4)生材密度と初期含水率および仕上がり含水率との間には高い相関関係が確認でき、乾燥時間を生材密度で区分することにより、所定の含水率に乾燥できると考えられた。ただし、生材密度の高い材については、天然乾燥等の2次乾燥が必要と考えられた。
- 奈良県森林技術センターの論文
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