スギ製材品における天然乾燥前処理としての高温低湿処理について
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概要
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スギ正角材(11。5cm角、13。0cm角、16。0cm角)と平角材(14。0×26。0cm角)を高温低湿処理後に屋外で天然乾燥し、前処理としての高温低湿処理の効果を検討した。得られた結果は以下のとおりである。(1)24時間の高温低湿処理により、断面の小さな材種では含水率の減少が顕著であった。高温低湿処理後、11。5cm角と13。0cm角では材の収縮が認められたが、16。0cm角と平角材では寸法変化は認められなかった。また、すべての材種で表面割れの発生が認められた。(2)前処理後、天然乾燥で含水率20%に達する日数は、11。5cm角、13。0cm角、16。0cm角ではそれぞれ180日、180日、270日、15%に達する日数はそれぞれ270日、360日、360日であった。平角材では高温低湿処理後の含水率により乾燥経過が異なり、処理後の含水率が80%以上のものでは15%の含水率に達するのに630日以上の日数を要した。(3)天然乾燥過程における収縮率変化は、含水率経過と連動していて正角材では含水率が15%に達した時点で安定した。平角材も20%に達した時点から変化は小さくなったが、720日経過した時点まで収縮変化が続いた。正角材の収縮率は中温乾燥材と比較して低い値であり、ドライングセットの効果が確認できた。(4)天然乾燥過程における表面割れ長さの測定結果およびモルダー加工による品質評価から、11。5cm角および13。5cm角について、高温低湿処理による表面割れ抑止効果の有効性が確認できた。
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