斜面の上部と下部に植栽されたスギ・ヒノキ若齢木当年生シュートの光合成・蒸散速度
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
立地条件の違いが樹木の生理状態に与える影響とその種間差を明らかにするため,斜面上部と下部に植栽された同齢のスギとヒノキの生理的要因の日変化を測定した。立地間の環境条件については,土壌の水分状態に差があり斜面上部が下部より乾燥していた。生理的要因について,ヒノキでは最大値となる時刻以外には光合成速度に立地間差がなかったのに対して,スギでは一日を通して斜面下部が上部よりも高い光合成速度を示した。気孔コンダクタンスと蒸散速度についてはスギ,ヒノキともに斜面下部で一日を通して高い値だった。シュートの木部圧ポテンシャルは両種とも斜面上部でより高い値を示し,立地間差はスギがヒノキよりも大きかった。以上の結果より、斜面上の植栽位置の違いによる土壌の水分状態の違いに起因して、植栽木の生理状態に差が発生することが示唆された。
著者
関連論文
- 針葉樹人工林の小面積皆伐による異齢林施業が下層植生の種多様性およびその構造に及ぼす影響
- シダレザクラ樹冠内での光環境と比葉面積およびSPAD値の関係
- 応力波伝播速度測定によるカラマツ生立木の非破壊腐朽診断 : 九州大学北海道演習林と信州大学野辺山ステーションにおける調査事例
- カラマツ生立木の非破壊腐朽診断 : 応力波測定法と打診法の比較
- 九州大学北海道演習林の北東斜面と南西斜面におけるアカエゾマツ若齢木の成長と光合成--積雪および季節凍土との関連
- スギ樹冠における葉齢別窒素含量の季節変動
- マツノザイセンチュウ接種クロマツ苗の根の異常
- 樹木医学研究カラマツ生立木の非破壊腐朽診断-応力波測定法と打診法の比較-.
- カラマツ生立木の非破壊腐朽診断 : 応力波測定法と打診法の比較
- 1.森林生物部門(A.概要,I.研究教育動向)
- 茎熱収支法によるヒノキ成木の樹液流量の測定と樹体における通水抵抗
- ヒノキ人工林における帯状伐採が林床の微気象と樹木種の多様性に与える影響
- 日本最古のカラマツ人工林における応力波伝播速度測定による生立木の腐朽診断
- 移植にともなう樹木の通水抵抗の変化
- 斜面の上部と下部に植栽されたスギ・ヒノキ若齢木当年生シュートの光合成・蒸散速度
- マテバシイ陽樹冠および陰樹冠における水分通導抵抗のシュート内分布
- 「樹形のパイプモデル」は「樹形」をどこまで説明できるだろうか?--スギとヒノキの場合 (特集 樹木の形作りと生き方--「枝葉末節」から本質へ)
- 斜面の上部と下部に植栽されたスギとヒノキ若齢木の当年生シュートにおける光合成特性
- Effects of topography and planted trees on the distribution of naturally regenerated broad-leaved trees in a 140-year-old Cryptomeria japonica plantation in northern Kyushu, Japan
- 日本最古のカラマツ人工林における応力波伝播速度測定による生立木の腐朽診断
- 帯状伐採地における光環境の簡単な推定モデル
- P1-12 同一斜面上のヒノキ林における窒素と炭素の動態 : 窒素無機化と地表面CO_2フラックスの関係(S1.土壌-植物系の窒素動態研究における安定同位体比の利用,1.物質循環・動態,2012年度鳥取大会)
- 九州大学北海道演習林の北斜面と南斜面におけるアカエゾマツ苗木の光合成活性(会員研究発表論文)