Dilation and Solubility in Carbon Dioxide+ Poly(vinyl acetate) System at High Pressures
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Dilation and solubility in carbon dioxide+poly(vinyl acetate) (PVAc) system were measured at temperatures of 313.2K and 323.2K and pressures up to 9MPa. The dilation of PVAc was measured using a high-pressure optical cell and a cathetometer. Measurement of CO2 solubility in PVAc was performed using a pressure decay method. The solubility data were correlated using the Schotte equation of state with characteristic parameters for each component determined by best-fit-to P-v-T data or saturated properties of each pure substance. Prediction of PVAc dilation was also made using the value of a binary parameter, kij, obtained from the correlation of the solubility data. The prediction gave a fairly good agreement with the experimental data at low pressures, although some discrepancies were seen between experimental and predicted values at high pressures.著者らはポリマー中の低分子不純物の分離への超臨界流体抽出法の適用性を検討してきた1),2)。この研究において除去機構を解明し, 除去実験結果を理論的に整理するためには, 超臨界流体の溶解に伴うポリマーの膨潤やポリマー中への超臨界流体の溶解度などの基礎物性が不可欠である。そこで本研究では温度313.2Kおよび323.2K, 圧力9MPa以下において二酸化炭素+ポリ酢酸ビニル系の膨潤率および溶解度の測定を行った。また, Schotte6)の状態方程式による実験値の相関を行い, その適用性について検討した。膨潤率の測定は, Fig. 1に示す様な窓付き高圧セルとカセトメーターを用いて行った。また, 溶解度の測定は, Koros3)の装置を参考にして製作した圧力降下法に基づく装置 (Fig. 2) を用いて行った。Table 1およびFig. 3に二酸化炭素の溶解に伴うポリ酢酸ビニルの膨潤率の測定結果を示す。また, Table 2およびFig. 4にポリ酢酸ビニル中への二酸化炭素の溶解度の測定結果を示す。膨潤率および溶解度とも温度313.2Kでの方が温度323.2Kでの値よりも大きくなった。次に, Schotte の状態方程式を用いて溶解度の相関を行った。Schotte の状態方程式中の各物質の特性パラメーターPi*, vi*, Ti*は, 各々の物質の飽和物性あるいはP-v-T関係を相関することにより決定した。決定されたパラメーターの値と相関に使用した物性を Table 3に示す。溶解度の相関に際してはEq. (9) 中のkijをフィッティングパラメーターとして取り扱った。Fig. 4に溶解度の相関結果を示す。比較的低圧においてはほぼ良好な相関が得られたが, 温度323.2K, 圧力7MPa以上では相関値と実験値の差が大きくなった。また, 溶解度を相関して得られたkijの値を用いて膨潤率を推算した結果をFig. 3に示す。温度323.2Kではほぼ良好な推算結果が得られたが, 温度313.2Kにおいては高圧領域で実験値と推算値の差異が大きくなった。これらの結果は Schotte の状態方程式では溶解度と混合物のP-v-T関係の両者を厳密に表現するには不十分であることを示していると思われ, 今後より良い状態方程式および混合側の開発を行う必要があるものと考えられる。
- 1990-09-01
著者
関連論文
- 1-328 広島大学工学部化学工学講座におけるJABEE認定取得に向けた教育改善((15)技術者教育認定関連(JABEE))
- 超臨界流体
- 超臨界流体
- 高分子発泡成形技術 : 発泡機構とその応用
- 基礎物性
- 高分子材料に対する超臨界二酸化炭素の可塑化効果とそれを利用した高分子の微粒子化
- Eleventh International Conference on Properties and Phase Equilibria for Product and Process Design (PPEPPD) 2007 報告
- 超臨界流体による poly (ethylene terephthalate) のマイクロセルラープラスチックス製造に関する基礎的研究
- 超臨界2酸化炭素によるポリ酢酸ビニルおよびポリスチレン中からのベンゼンの抽出-2-〔英文〕
- 超臨界二酸化炭素によるポリ酢酸ビニルおよびポリスチレン中からのベンゼンの抽出
- Supercritical Carbon Dioxide Extraction of Benzene in Poly (vinyl acetate) and Polystyrene (Part 2)
- (23) 化学系学生に対するプログラミング入門教育 : 広島大学工学部化学系における実施例(第6セッション 教育システム(6))
- 超臨界流体を用いた成形加工のための基礎物性
- 材料製造・加工への応用
- 次男坊の融点測定
- ポリマー中の高圧ガスの溶解度と拡散係数の測定
- 超臨界流体によるポリマ-中の高沸点物質の抽出
- 超臨界二酸化炭素によるポリ酢酸ビニル中からのベンゼンの抽出のモデル化
- 超臨界二酸化炭素によるポリマー中からの揮発性残留物の除去
- 614 超臨界二酸化炭素による高分子溶融体の可塑化効果の測定と推算(2)(OS6-4 非ニュートン流体の流動現象,OS6 非ニュートン流体の流動現象,オーガナイズドセッション)
- 614 超臨界二酸化炭素による高分子溶融体の可塑化効果の測定と推算(1)(OS6-4 非ニュートン流体の流動現象,OS6 非ニュートン流体の流動現象,オーガナイズドセッション)
- 超臨界流体によるセラミックス射出成形体の脱脂 (平成4年度化学工学会賞) -- (奨励賞)
- 超臨界流体抽出法によるセラミックス射出成形体の脱脂
- 超臨界流体抽出法による成形セラミックスの脱脂--成形体内でのバインダ-の拡散係数
- 超臨界二酸化炭素によるアルミナ成形体の脱脂
- 活性炭を併用した超臨界流体抽出法によるアルミナ成形体の脱脂
- ピエゾ電気収着法によるポリマー中への高圧ガスの溶解度の測定および相関 : CO2+PVAc系およびCO2+PBMA系
- ガラス転移温度以下でのポリスチレン中へのベンゼン, トルエン, シクロヘキサン蒸気の溶解度
- ピエゾ電気収着法による溶融状態のポリイソブチレン中へのベンゼンとシクロヘキサンの溶解度の測定並びに修正二重収着モデルによる相関
- ポリスチレン中への高圧窒素の収着測定並びに修正二重収着モデルによる相関
- 高圧二酸化炭素+ポリ酢酸ビニル系における溶質の無限希釈気液平衡比の測定および推算
- Dilation and Solubility in Carbon Dioxide+ Poly(vinyl acetate) System at High Pressures
- 高圧下における2酸化炭素+ポリ酢酸ビニル系の膨潤率および溶解度の測定と相関〔英文〕
- 基礎物性
- 基礎物性研究の動向と今後の展望 (創立75周年記念増刊号) -- (化学工学関連の動向と今後の展望)
- 基礎物性
- 超臨界CO2脱脂法 (特集 これは知っておきたい!超臨界流体の応用技術) -- (応用技術)