A Study of Mental Sweating in Patients with Chronic Fatigue Syndrome
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概要
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慢性疲労症候群(CFS)患者10例について,精神性発汗と心理検査(Cornell Medical Index (CMI), Minnesota Multiphasic Personality Inventory (MMPI))を行った.安静時発汗量は健常コントロール群よりも多く,安定,不安定ともに5例ずつで,負荷選択性は,汎反応型が8例,運動反応型が1例,基線が不安定なため判定困難が1例であった.発汗パターンは,多-速型が8例,多-遅型が1例,判定困難が1例であった.CMIは全例神経症領域であった.MMPIの臨床尺度では,10例中9例で,心気症,抑うつ,ヒステリー尺度が高値であった.CFS患者群では,精神性発汗量は多く,汎反応型,多-速型が多く,交感神経機能は過活動であるが,その活動は速やかに低下することがわかった.一方,MMPIでは,心気症,抑うつ,ヒステリー尺度が高く,疲労感と緊張の強い心理特性を示した.精神性発汗量の増加は,前頭前野の機能変化や,慢性ストレス,不安,緊張など情動の変化を反映したと考えられた.CFS患者において精神性発汗の測定は,様々な要因によりもたらされる中枢を介した自律神経機能の客観的評価に有用と考えられた.In this study, we examined sweating, Cornell Medical Index (CMI) and Minnesota Multiphase Personality Inventory (MMPI) in ten patients of chronic fatigue syndrome (CFS). Under resting conditions, the sweat rate of CFS patients was statistically higher than the control and the pattern was stable in 5 subjects, unstable in the other subjects. For the task-reaction selection, 8 subjects were pan-reaction type, one subject was motor reaction type and one subject was indeterminate because the resting sweat rate was too high. As for sweating pattern, 8 displayed a high-fast pattern, one was high-slow, and the other one was indeterminate. In CMI, all patients revealed neurosis. Eight out of nine patients revealed scores of hypochondria, depression and hysteria that were higher than 70 in the clinical scale of MMPI. In CFS patients, the sweat rate was high and the pattern of sweating was pan-reaction and high-fast. On the interpretation of these results, it was thought that the sympathetic nervous system was overactive and stopped immediately. On the other hand, scores of hypochondria, depression and hysteria were high in MMPI. These results show the characteristic psychological features of subjects strongly exhibiting fatigability and tension. Increase of the sweating of palms was thought to reflect changes in prefrontal cortex function and emotion caused by chronic stress, anxiety, tension and so on. In the CFS patients, measurement of sweating was thought to be useful for objective estimation of the functioning of the autonomic nervous system caused by several factors.
- 東京女子医科大学学会の論文
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