LOCALIZATION OF HEPATITIS B SURFACE ANTIGEN IN THE PANCREAS AND LYMPH NODES
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概要
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梅毒性大動脈炎に起因したと考えられる，大動脈瘤破裂により死亡した65歳女性の剖検例において慢性肝炎が見出され，オルセイン組織化学染色および酵素抗体法により，肝実質細胞の胞体のほかに，膵臓の腺房細胞胞体やリンパ節の組織球内にも， B型肝炎ウイルス表層抗原(HBsAg)が観察された。HBsAgの存在する膵臓およびリンパ節の組織内において，病原体や異物などに起因する反応性所見は，見出せなかった。このことはB型肝炎ウイルスによる感染は，肝臓と肝臓以外の組織において，生体防御が異なるものと思われるが，肝臓以外におけるHBsAgの病態学的意義は，今後検討しなければならない。B型肝炎ウイルスは，肝実質細胞のほかに膵臓実質細胞にも存在しうることが，今までにも示唆されているが，本症例はこのことをいっそう裏付けるものである。なおHBsAgがリンパ節内に明らかに存在したという剖検例の報告は，我々が調べた範囲ではこれまでのところ見当らない。An autopsy case of syphilitic aortic aneurysm with an infection of hepatitis B virus in a 65-year-old woman is reported. Specifically, hepatitis B surface antigen (HBsAg) was revealed in the pancreatic acinar cells and histiocytes of retroperitoneal pancreatic lymph nodes as well as in part or nearly all of the cytoplasm of scattered hepatocytes by orcein and immunoperoxidase methods. These findings suggest that hepatitis B viurs may replicate in the pancreas. It was not clear whether HBsAg in the lymph nodes is related to infectiveness or not. The present study further confirms the previous reports of extrahepatic localization of HBsAg.
- 日本熱帯医学会,Japanese Society of Tropical Medicineの論文
- 1989-09-15
著者
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