教師の評価と中学生の学力の関連性 : 階層問題に潜む教師のまなざしに着目して
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概要
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本稿は同和地区生徒の低学力問題を教師の評価という観点から考察した。西日本に位置するH県の公立中学校において得られたデータを分析した結果、地区生徒の学力達成が低いのは、厳しい家庭環境のためだけではなく、教師による低い評価も大きく関わっていることが明らかになった。教師の評価が学力試験の得点よりも正確に生徒の階層を予言しているのである。これはラベリング理論において説明可能であるが、教師の生徒に対する「まなざし」が階層問題に大きく荷担している可能性を示唆するものである。逆に言えば、家庭環境の厳しい地区生徒でも、教師の評価次第で、学力が上昇する余地が 残されている(ピグマリオン効果)という可能性をも示している。
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