トドマツの垂直分布に伴う変異
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概要
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トドマツの育種区すなわち種苗供給区域区分ならびに遺伝子資源保存林設定などにとって,その垂直的変異に関する情報は必要欠くことのできないものである。本研究は,北海道内においてもこのような情報の得られる数少ないフィールドの一つである東京大学北海道演習林,特にその大麓山西南斜面において,このような見地から行われたものであり,調査研究はなお続行中である。本報告は,そのうち特に1973~’80年の8年間に,汎針広混交林帯域(標高200~300m以下)から樹木限界(1350m)附近までの間に自生するトドマツについて,標高別(230,340,420,530,750,940,1100,1200,1250及び1350m)母樹集団ごとの球果,種子及び次代苗の形質変異を調べ,さらに相互移植(230,410,530,730,930及び1100m)された各標高産次代家系の生育及び適応性を比較検討した結果をまとめたものである。Saghalien fir (Abies sachalinensis (FR. SCHM.) MASTERS), distributed in Hokkaido, the South Kuriles and Saghalien as a dominant tree species of the Pan-mixed forests (in TATEWAKI's sense) and of the subboreal coniferous forests, covers a wide altitude range from the sea level up to about 1650m over the forest and tree limits in Hokkaido. But researches on the variation of its characters along the altitudinal gradient were very rare so far in contrast to those on the geographical and regional variations. Thus a series of studies on the altitudinal variation have been carried on by the present authors and colleagues in the Tokyo University Forest in Hokkaido since 1973.
- 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林,The Tokyo University Forests,東京大学農学部北海道演習林,東京大学農学部林学科,University Forest in Hokkaido, Faculty of Agriculture, University of Tokyo.,Department of Forestry, Faculty of Agriculture, University of Tokyo.の論文
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