朝日の森を対象とするGISを用いた森林機能評価と森林ゾーニング
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概要
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本研究では,朝日の森を対象として,森林情報の収集・処理,森林管理などに資することを目的に,まず,地理情報システム(GIS)データベースを構築し,次いでGIS情報を利用してポテンシャルの面から森林の機能を定量的に評価することを試みた。評価の対象とした森林機能は,森林の水源涵養,保健文化,山地防災及び木材生産機能の四つである。さらに,評価結果を機能別評価得点分布図及び優勢機能の分布図の形にまとめた。最後に,この機能評価結果を踏まえ,新たに設けた四つのゾーニング基準を基に,階層クラスタ分析(Hierarchical Cluster Analysis)等を利用してゾーニング手法を検討し,森林機能を考慮した朝日の森の森林ゾーニングを試みた。本研究で開発したゾーニング手法は,直観的で,その手続きが容易であり,その結果を迅速にモニタリングすることができるので,実際の森林管理に有効であると考えられる。First, in this study, a GIS (geographic information system) database for Asahi-Forest was constructed to obtain forest information and to support vegetation management. Based on this database, forest functions were quantitatively evaluated in terms of forest function potential. There were four evaluated functions; "water conservation function", "preservation function of the public health and culture", "land conservation function" and "timber production function". The four functions and an evaluated dominating function were illustrated by distribution diagrams using GIS techniques. Finally, zoning of the forest was accomplished by using synthesized methods with four criteria that included the mathematical method of Hierarchical Cluster Analysis. A new zoning technique was developed in this study. Its procedure is easy and intuitive. The zoning result can be monitored quickly and the zoning method is effective for actual forest management.
- 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林,The Tokyo University Forests,東京大学大学院農学生命科学研究科,(現所属)東京農業大学地域環境科学部,森林文化協会・森林環境研究所,Graduate school of Agricultural and Life Science, The University of Tokyo,(present address) Faculty of Regional Environment Science, Tokyo University of の論文
著者
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露木 聡
東京大学大学院農学生命科学研究科
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箕輪 光博
東京農業大学地域環境科学部
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李 定洙
東京大学大学院農学生命科学研究科:(現)江原大学校森林科学大学
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李定 洙
東京大学大学院農学生命科学研究科
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